ひとりで強くなるための将棋勉強法

将棋倶楽部24 四段から五段 ニコ生主 将棋は初段になればさらに面白さが爆増します!初段になる手助け・モチベーションアップにつながればと思います!!

大局観を学ぶのにオススメな棋書3選

新型コロナウィルスの影響で在宅することが多くなりました。

家にいることが多くなるということは、本を読むまとまった時間があるのでこの時間をうまく活用していきたいですね

僕は100冊以上の棋書と10年分近くの将棋世界を所持しています。
1番本を読んでいた時期は将棋倶楽部24で初段になる前後の頃でした。
そんな僕が紹介する大局観についての本を3つ紹介します。

1.上達するヒント 羽生善治

この本は一家に一冊と思っています。
寄せの法則や詰将棋ハンドブックに肩を並べるレベルでの必読本だと思います!
本の内容としては、形勢判断の考え方や、厚みや、捌きなど
将棋をやっているとよく聞く言葉や概念の解説が中心です。
フワフワっとしている感覚的な大局観の部分を非常に明瞭でしっかりと書かれています。
また、参考にしている棋譜が外国人のアマチュア同士の対局によるものです。
マチュア棋譜なので、僕たちが普段やってしまうようなミスが頻繁に取り上げられます。
そうしたミスが「なぜ」ミスなのか、かわる手は「」なのかなども書かれており
例題・解説ともに非常に読みやすいのもオススメポイントです。
象棋力は全員対象です
棋力が低い方でも強い方でもプロの感覚がこれほどにわかりやすく書かれている本はなかなかないので
繰り返し読むことに新たな発見が今でもある本です。




2.永瀬流負けない将棋 永瀬拓矢

受けについての考え方が凝縮されています。
永瀬プロの自戦棋解説なのですが、アマチュア初段の方との対談方式で解説が進んでいきます。
そのインタビュアーが絶妙で、マチュアならやりがちな手や考え方を僕たちのかわりに聞いてくれています。
その手を永瀬プロがバッサリ斬っていき、どうして自分はその手を選んだのか
今後の方針はどうするのかなどを細かく解説してくれます。
時折出てくるブラック永瀬が永瀬プロの高勝率の根源なんだなあと痛感させられます。
受けの感覚や永瀬プロ好きは必読です。
読みやすく勉強にもなるので非常にオススメです。




3.必ず役立つプロの常識 阿久津主税

「中盤」にテーマを絞った本です
4章構成なのですが、この構成が非常にメリハリがあり個人的は好きです。
1章はプロの常識ということで、プロ流の将棋格言のようなものを局面例とともに掲載されています。
右玉にはミレニアム囲い美濃囲いの玉底の金などです。
普通の格言書にはない新手筋が盛りだくさんです。
2章は囲いの特徴について解説されています。
そして、その囲いの急所と要の駒 攻めるならココ!といったところも書かれています
囲い崩しの基本を学ぶことができます
3章は次の一手 4章は自戦棋解説となっています
今までのおさらいとまとめですね
これ一冊で阿久津ワールドを堪能できますし、なにより自分が実戦で困ったときに
「そういえば阿久津本でこんなこと書いてたな」と思い出し、そういった手が思いつくようになりました。




4.まとめ

今回は棋書レビューになってしまいましたが、もしもっていなくて、興味があればぜひ手に取って読んでみてください。
他にもまだまだオススメの本はありますが今回は一旦この3冊を紹介させて頂きます。


永瀬流 負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)

永瀬流 負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)

  • 作者:永瀬 拓矢
  • 発売日: 2012/11/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
全戦型対応版 永瀬流負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)

全戦型対応版 永瀬流負けない将棋 (マイナビ将棋BOOKS)

  • 作者:永瀬 拓矢
  • 発売日: 2017/12/14
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
マイコミ将棋BOOKS 必ず役立つプロの常識 (マイコミ将棋ブックス)

マイコミ将棋BOOKS 必ず役立つプロの常識 (マイコミ将棋ブックス)

  • 作者:阿久津 主税
  • 発売日: 2009/12/23
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

受けのタイミング

将棋における受けとは非常に個性がでやすいものです。
なぜなら将棋の目的は敵玉を詰ますことなので、必然的に攻める手が自然であるからです。
受けは攻めとは真逆で相手のゴールを自らの意思で遠ざけるという手です。

例えば、お互い100Mの距離を先にゴールした方が勝ちとします。
将棋においての攻めは相手が100Mを7秒で走るなら、6秒で走ろう!とすることです。

一方受けは、100Mのゴールを相手だけ150Mに伸ばしたり、途中に障害物を置いたりして
自分の進むスピードは一定で、相手を遅らせようとする考え方です。

しかし、当然 自分は攻めていないので受けばかりじゃ勝つことはできません。
妨害をするにしてもタイミングが重要になります。

前置きが非常に長くなってしまいましたが、今回は受けのタイミングについてです。

1.相手の攻めが来る0手前

相手の攻めが来る0手前とはつまり、今まさに攻められている局面です。
攻撃されたことに「対応して受ける」ことになります。
基本的には攻められているので、受け将棋というよりは受ける展開になってしまっているケースが多いです。
例えば、角で王手されたので相駒で王手を受けた などです。
しかし、局面が優勢で相手が無理気味な攻めをしているときはチャンスです。
丁寧に面倒をみて受けることにより優位が拡大します。
下手に攻め合うと駒を渡してしまうので逆転を許すきっかけになります。
そういったわかりやすく優勢である状態であれば非常に有力な手段です。
また、全駒も狙えます。




2.相手の攻めが来る1手前

僕の理論上、常にこれができれば無敗です!
相手の攻めが来る1手前に先受けしておくということは
次に相手からくる攻め筋を完璧に見切っているということです。
完璧に相手の狙いを見切ることができれば、相手から攻められることはないです。
もし、攻められてもそれは無理攻めなので自動的に有利になります。
相手から攻められなければ絶対に自玉は詰まなくなります。
詰まないということは負けません。無敗です!
しかし、相手の攻め筋が複数あり、1手ですべてを受けきれない場合は注意が必要です。
その場合は1つは受けて、残った攻め筋を甘受して耐え忍ぶ
開き直って攻め合いに持ち込むべきです。




3.相手の攻めが来る2手以上前

このパターンはまだまだ猶予があるケースが多いです。
相手からの攻めがある・なしに関係なく、自分の視点からは攻めが見えていない状況です。
(もし相手からの攻めがあったのであれば、それは素直に自分の実力不足を認めましょう!)
手番は自分なので攻めることも受けることも選択できます。
もし、不安要素があるのであれば1度自陣に手を戻すなどをして受ける方が安全です。
攻めも受けも選択肢がある状況であれば無理して動く必要性はありません。
逆に動かなければいけないケースは
お互い1手ずつ指して
「自分が自陣に手を入れる」<「相手も自陣に手を入れる」≦「自分から動いて攻める」
と、お互いが受けの選択をしたときに相手の方が安全度が上がる状態です。
動く方がイコール以上であれば多少自玉が不安でも動くべきです。




4.まとめ

受けのタイミングのコツをつかむのはなかなか難しいと思います。
いきなりやろうと思っても難しいです。
なので、まずはマインドチェンジからはじめましょう!
①攻める手を考えたら、自分がパスした場合に相手から攻められてしまうかどうかを考える
②今は力を貯めて次に攻めようと考えたら、相手番で攻められてしまうかどうか考える
③相手はどの形でどこを攻めたいのかを考える
④その攻めの危険度を比較する
もちろん答えは対局中にはわからないと思います
僕もわかりません むしろ対局中にそれが100%わかれば最強ですよね
しかし、考える癖をつけることによって、見落としやウッカリが格段に減ります。
しつこいぐらいに当ブログでは書いていますが、「大きなミスを減らす」ことが初段になるには最重要です
80点はいりません 60点でいいです。 ただ、赤点は取らないでください!
そういう物の考え方です!
ぜひ、今度将棋観戦をするときはプロの受けのタイミングに注目してみてください
そして、なぜこのタイミングなのかを考えてみてください。解説があれば最高ですね。
その積み重ねが確実に棋力アップにつながります!

級位別 序盤の勉強はどこまで?

序盤ってどこまで拘ればいいんだろうか・・・

これはどのレベルになっても付きまとってくる問題です

ガチガチに研究と暗記を繰り返しても、その局面でしか発揮しないようなウルトラな手順だと
時間をかけた割には使える頻度が少なすぎて効率悪いですし
何より量が増えると覚えきれなくなってしまいます

かといって完全に雰囲気・だいたいで指してしまうと
毎回苦しい局面から中盤スタートになってしまいます。

そんな中で級位別に「どのあたりを注意するか」という点に絞って僕の考えを書きたいとおもいます。

なお、級位は全て将棋倶楽部24でのレベルになります。

1.低級

このレベルの方は、細かい研究や手順はまだ必要ないです。
とにかく「理想形」と言われる形を目指してください。
定跡本での基本図でもいいです。
そういった綺麗な形を作ることを意識してください。
多少の手順前後や手損は許されるので
金銀3枚で守って、飛車角銀桂馬が働きやすい攻めの陣形を作る
ことを目指しましょう




2.中級

このレベルまでくると自分の中の必勝パターンや得意なパターン・形が出てくると思います。
得意な形と苦手な形がより明確に分類できるようになる頃です。
中級タブでは、苦手なことには一旦目をつぶって
得意な形を伸ばす方向で勉強していきましょう。
数学のテスト問題で例えると、難しい終盤の大問は捨てて、序盤の基本問題はしっかり点数取ろうという考え方です。
確かに苦手な形を放置するので穴はあります。ボコボコにやられることも多いかと思いますが
10局やって6局以上 序盤は互角以上であればOKぐらいの感覚でいいです。
4局は序盤でハマってボコボコにされても許容しましょう。




3.上級

上級まで来ると夢の初段の一歩手前です。
もう基本的なことはほぼ身についている状態であると思います。
初段までもう1ランク上がるには「苦手を消す」ことが重要になってきます。
10局やって8局は序盤は互角以上を目指したいです。
苦手を消す方法は3つです。
①対策を練る
きっちり勉強します。真正面からの対策ですね。
棋譜並べや定跡書を読んで今迄通りの勉強をします。

②苦手な局面・戦型を避ける
そもそもその局面や戦型になる可能性があるのであれば初めからその戦法を選ばないということです。
例えば、僕は相振り飛車が苦手で振り飛車を辞めて居飛車をはじめました。

③無理矢理自分の土俵で戦う
多少の手損を厭わない指し方です。
先手番で一手損角換わりをして無理やり角交換の将棋にするとか
逆にすぐに角道をとめて無理やり矢倉にするとかです。
②と似ているところもありますが、これは根本を変えるというより、変化の中で強引に軌道修正するイメージです。

①の対策で対応できるのであれば最高なのですが、時間や労力に限りのある方(特に社会人)であれば
②や③の選択をして、苦手な部分が出ないような戦法選択をする方が効率はいいと思います。



4.まとめ

僕は序盤の勉強が好きで、級位者の頃は定跡書をいっぱい買って読み漁ってました。
もちろん色んな狙いや手筋を学べたので身になったとは思っていますが
致命的な記憶力なので、とにかく手順が覚えられなかったです。
なので「自分が指しやすい雰囲気」というものを重要視することにしました。
序盤で絶対に優勢になろう!と意気込んで勉強しても絶対に挫折しますし、定跡から外れた瞬間に焦ります。
全ての級位別で共通して言えることは
序盤は互角以上ならオールオッケーです
ソフト評価でいうと体感では、-300以上で自分がその局面に指しやすい雰囲気があるならいいです
級位が低ければ低いほど-300というバーは-400 -500と互角のバーは低く設定しても結構です
とにかく自分がやれそうだと思う形で中盤を迎えるようにしましょう!
多少の手損をしても隙のない理想形にできればそれぐらいのマイナスはすぐに取り返せます!
僕みたいな定跡書を読むのが好きって方以外は序盤はすっごくアバウトで気楽でいいです!